三次・吉田税務署と交渉

~周知が進んでいない。このままでいいの?インボイス制度~

6月3日、三次民商は、3・13重税反対統一行動で申入れした内容についての回答と交渉・懇談を行い、植野税対部長、奥田副会長、山田常任理事、佐々木理事、酒屋事務局が参加しました。吉田税務署からは平田総務課長と中野係長が、三次税務署から中野総務課長と松島係長が対応しました。

申入れ事項

①新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑み、任意の調査は控えること。現在継続中の任意の税務調査について、中止も含めて柔軟に対応すること

②コロナ禍で事業継続に努力をしている事業者の税負担を軽減するために、納税の猶予の特例(特例猶予)を再実施し、コロナが収束するまで納税を猶予し、延滞税を免除すること

③国民の多くが理解していない電子帳簿保存法に関わり、提示提出を強要し、帳簿の電子データの持ち帰り、青色申告の取り消しを行わないこと

④集まって教え合う民商の自主計算運動を認めること

⑤「給付金等の受給の確認」を口実とした調査・呼び出しを行わないこと

⑥未だに周知されていないインボイス制度の導入は、コロナ禍で疲弊した中小業者に追い打ちをかけるのは明白です。消費税のインボイス制度、電子帳簿保存法を廃止すること

⑦すべての税務署員が憲法順守し、税務運営方針を守ることを徹底すること

はじめに今の中小業者の窮状を訴えました。
ウクライナ戦争の影響で資材が高騰し、価格が転嫁できない状況で、畜産関係も大打撃を受けていることを伝えると、平田課長は「車関係が半導体の減少で工場がストップしていると聞いています」と回答し、中野課長は「コロナ禍の上に今の現状は今までよりも切実さが伝わってきます。必ず上級官庁に報告をします」と回答。植野部長は「必ず上げてください」と訴えました。

昨年11月に両税務署に交渉をした際に、インボイス制度の周知がまったく進んでいない現状でした。
半年以上経って世間的に状況が変わっていないと実感する中、相談会や制度登録など進んでいるかどうか聞いてみると、両税務署とも、「相談は多少増えているが、広まっているとは言い難い」とのことで、ほぼすべての事業者に関係するこの制度が来年に控え、全く広まっていないことが大問題です。

インボイス制度は日を追うにつれ、農業やシルバー人材への対応や電子帳簿法と合わせた国民監視の社会になるなど様々な問題点が浮き彫りになってきています。今までの商業間取引が人間関係の信頼から登録業者かどうかだけに特化されることになり、多くの廃業者を生み、中小業者の大多数である消費税免税業者が大挙して税務署に訪れることが明白であるのではないかと訴えると、両税務署とも「そこは危惧をしている」と回答し、やはりインボイス制度を廃止し、消費税率を元に戻し、地域循環型の経済にしていくことが、日本経済の立て直しの近道だと訴えました。

交渉の前日に、元国税局職員が持続化給付金詐欺で捕まったニュースに触れ、「申請が難しくてあきらめた業者もいるのに、このようなことがあるとまた申請が複雑になり、救えない業者が増える」と訴えると、「この件に関しては詳しい状況が分からないが、国民の信頼を失うことになるので非常に残念」と苦慮していることが垣間見えました。