特別学習会インボイス制度について

中小企業に死活問題申請期限延期「9月末まで申請は待とう」

新春学習会は76名が参加「インボイス制度の導入は中小企業にとって死活問題、制度の本質とその影響を考える」と題して大阪総合会計事務所竹内克謹税理士が講演しました。
はじめに消費税は売上に含まれる消費税から仕入や経費で支払った消費税を差し引いて事業者が申告・納税する制度を解説し、「零細事業者にとって価格の転嫁が困難なことや膨大な事務負担を強いることから当初3000万円の免税点制度を作って消費税を導入したが、今になって『免税事業者の懐に消費税が残るから不公平だ』と免税事業者から税金を取ろうとしている。最初の約束はどうなったのか?」と問題を投げかけました。

消費税が3倍
インボイス制度の実施で登録番号が書かれた適格請求書がないと消費税の仕入税額が控除できないことで顧問先のイラストレーター(免税事業者)は「出版社から免税事業者とは取引しないと言われた。インボイスを登録するかどうかは事業者自身が選択することになっているが、登録は事実上強制になっている」と述べ、顧問先の建設会社の決算から一人親方の外注が登録しない場合に納付する消費税が3倍に増える実例を解説しました。

報道されない損税問題
益税問題について「免税事業者は支払った経費に含まれる消費税相当額を上乗せして請求しているだけ。単価の引き下げや値引きの強要で消費税分ももらえず益税ではない。車や機械を購入したときに支払った消費税を控除する機会を与えず、むしろ『損税』のことをマスコミは取り上げるべき」と批判しました。経過措置で3年間は仕入税額の8割を控除できること、登録申請が少なく申請期限が9月末まで延期されていることから「取引先とも話し合い、申請は焦らずに」と呼びかけました。

反対署名で廃止へ
政府税制改正大綱について「軍拡のための大増税が示されたがいつからかは決まっていない。私たちの反対運動でやめさせよう」と話し、税務調査の動向では「自分の事務所にも税務調査が入り記帳をすることの大切さを改めて感じました。民商で自主記帳を進めてください」と締めくくりました。