労務士が教える計算方法と注意点とは
福山民商法人部会は4月20日、民商事務所で給与計算学習会を行い8名が参加。
割増賃金の計算方法の基本的な実務を学習しました。
講師は社会保険労務士で商工新聞読者の谷口富一さん。事務局員を通じ日常的に労務関係の相談に乗ってもらっています。谷口さんは「労働基準法は労働者を保護する法律。労基法は使用者に対し労働者へ過重労働の補償をさせ法定労働時間・休日を守らせようとするもの」と労基法について解説しました。
割増賃金の種類
続けて「労働時間とは使用者の指揮監督下にある時間のことを指し、時間のカウントは午前0時から、出勤は日曜を起点に数え、法定労働時間である1日8時間、1週間40時間を超える労働時間に対し割増賃金を支払う義務がある」
「会社が独自に定める所定労働時間を超えても法定労働時間を超えなければ割増賃金の対象にならない」「1週間で40時間の法定労働時間を超えても、変形労働制を採用し1ヶ月や1年単位で1週間平均して40時間以内になるようよう事前に決めれば対象外」と割増賃金の対象について説明しました。
割増賃金の計算について「計算するには1時間当たりの賃金がいくらになるか計算する必要がある」と月給での計算方法を示し、計算するためには1ヶ月所定労働時間を求めることを説明しました。
また「残業時間の端数処理は原則できないが、1ヶ月で集計し30分未満の切り捨て、30分以上の切り上げは認められる」とアドバイスしました。
36協定について
参加者から36(サブロク)協定について質問があり「時間外労働をする場合は予め従業員の代表と協議し1日、1ヶ月、1年の上限時間について協定を結び労働基準監督署に届け出ないといけない」と業種によって上限時間に違いがあることを説明し、「今年4月からは1ヶ月で60時間超える割増賃金は中小企業も25%から50%に引き上げられたので注意してください」と呼びかけました。
参加者から「基本的なことを学習できて良かった」「知らないことで罰則を受けることもあるので勉強する機会をこれからも作ってほしい」と感想や要望が出されました。