先月に続き市保険年金課と交渉

一部負担金減免で差別的な取り扱い 広島市は「排除」でなく「対象拡大」を

7月14日(金)、民商も加盟する広島市社会保障推進協議会は、先月に続き広島市保険年金課と交渉をおこないました。広島北民商から伊村副会長、陶山事務局長の2名が参加し、医療生協ソーシャルワーカーなど計15名の参加でした。
広島市は前回に続き遠山保険年金課長ら4名が応対しました。
一部負担金減免制度で門前払いされる実例を抗議し、広島市から「門前払いせず、状況や申し立てを踏まえ判断する」との回答を引き出す事ができました。

前回の交渉と、その後の動き
前回(民商ニュース6月12日号掲載)は、収入が一時的に減少した人の、医療機関での支払(窓口負担)を軽減する一部負担金減免制度での不当事例を中心に交渉しました。
事務手引きで対象者に『日雇い等』を含むとしているものの、市が意図的に範囲を狭く解釈しているのが実情です。
東区では非正規労働者の病気休業に対し、減免申請が認められなかった事例が発生。
これまでは受けられたパターンなのに、突然運用が変わり対象外とされました。
対象拡大への回答はなく、事例についても「病気休業による雇用形態の変更を会社が証明すれば検討する」と回答するに止まりました。この事例では、交渉後に会社に申し出たものの、「非正規だから」と証明を拒まれたため、減免が受けられないままとなっていました。

雇用形態での差別的取り扱いを抗議
2回目の今回は、対象範囲の拡大と、社会保障や弱者救済への市の考え方の方向転換を求めました。
新たに、安佐北区で障害者の作業所で働いていて病気休業した方が、窓口で一部負担金減免の申請が認められなかった事例がありました。
就労継続支援で働く方で、年齢や労働条件によって「雇用関係(雇用契約)が無い」とされ、減免の対象外とされました。
2回の事例の一番の問題点は、雇用関係の証明が無い事等の理由で、減免申請の対象外とされた事です。
病気等で休めば賃金も保証も無いという経済的に苦しい労働者ほど、社会保障の制度の網で助けることが、自治体の役割の一つです。しかし広島市は、2013年に国が「恒常的な困窮者は対象にしない」と方針を変えた事で、徐々に対象の網を狭めてきました。
苦しんでいる市民を、グレーゾーンにいるからと排除する姿勢に、参加者からも抗議の声が次々出されました。

窓口で「門前払いはしない」と回答
交渉で市は一部負担金減免について、市社保協の申し入れを受けて、「対象外だと門前払いをせず、申請を受理した上で、本人の申し立てや事業主の証明などで判断する」と、一定の前進もありました。
広島市は秋葉市政で、資格証による受診抑制で多くの方が亡くなった反省から、資格証を原則発行しないと舵を切りました。
一方の松井市政では、社会保障切り捨てや窓口対応悪化ばかり目立ちます。
来年の国保県単位化実施に向け、厳しい国保運営ではなく、進んだ自治体の取り組みを残す様に、重ねて申入れました。