市収納対策部へ申し入れと交渉

実態つかまず、制度活用もせず 不当な徴収・滞納整理が横行

5月2日(木)、広島北民商を含む市内4民商が合同で、広島市財政局・収納対策部へ申し入れと交渉をおこないました。北民商から久村会長、横畑副会長、寺本要求運動部長、事務局3名の計6名が参加し、4民商から17名と、広島法律事務所の井上弁護士も同席しました。
広島市からは特別滞納整理課の山本課長、徴収企画課の今井課長ら7名が出席しました。
事前に要請していたデータ資料も有り、状況の説明なども交えて回答がありましたが、実際に現場で起きている対応とはかけ離れた回答ばかりで、参加者からは抗議の声が相次ぐ交渉となりました。

要請への回答では、特別滞納整理課の扱う「高額滞納分」の範囲について、令和6年度は、市税等で60万円以上、国保で50万円以上、あるいは附帯金(延滞金等)のみで50万円以上の滞納金額の事案を取り扱っているとの回答でした。

国保料は毎年値上がりし、国保料の世帯当たりの上限額は104万円にもなります。市の試算でも子供2人を育てる4人世帯で年間所得316万円以上は50万円の国保料が発生します。
1年で発生する額が「高額滞納」扱いになるという線引きは厳しすぎます。令和4年度の滞納状況は市税で3万人、国保で2万人に上り、差押えも7658件おこなっています。
会員さんなどから相談があった事例を基に「介護や生活、休業などの実情がまるで聞き入れてもらえていない」状況を抗議し、実際の事例として、破産手続き中の滞納者への「破産したら滞納税金の支払いに充てられるだろう」と法の趣旨に反した対応や、収支や生活費を考慮しない売掛金の全額差押え、「借入返済を止めれば払えるでしょう」といった発言など、現場では強権的な滞納処分が横行しています。
これらの実態に対し、山本課長からは「挙証」という言葉も思わず出されながら、その上で「実態を確度(=正確さ)を持って説明してもらえれば」と発言。
今井課長も「真にやむを得ない事情について、言ってもらわないと分からない」と発言するなど、まるで事情を説明ができない納税者が悪いと言わんばかりの回答でした。
「相談してくれと言うが、実際は厳しい対応が多く、敷居が高すぎる」、ハードルを上げているつもりがないとの回答に「徴収職員は相談のハードルが高いという事を自覚しなければいけない」といった抗議の声が相次ぎました。

これらの要請に対し、「生活の実態を丁寧に伺い、個々の事情を十分調査し、適切に対応すること」との対応方針に変わりがない事や、差押え禁止財産や差押える財産の選択なども国税徴収法や国会答弁等に従い、職員の会議でも周知する事なども確認しました。
交渉後、参加者からは「改めて、毎年のように交渉に来る必要があると感じた」といった感想が出されました。