広島北税務署交渉

広島北民商は6月8日(月)、3.13重税反対全国統一行動で申し入れた事項について広島北税務署との交渉を行いました。
民商側からは高竹会長、大下副会長、竹本税対部長をはじめ、相田・西、高陽、可部亀山の各支部からの代表、牛田事務局長代理、礒道事務局員の計8名が参加し、税務署側は池田総務課長と福田課長補佐の2名が応対しました。
参加者は「現場の声をしっかり届けたい」との思いで臨み、緊張感の中にも前向きな空気が漂っていました。
冒頭、高竹会長が「納税者の立場に立った税務行政を求めたい」とあいさつし、申入れ事項への回答を求めました。

まず、インボイス制度廃止や消費税減税について税務署側は「税務署は執行機関であり立法機関ではないためコメントできない」と回答しました。ただし、寄せられた意見は国税局へ伝えるとし、制度開始後も事業者が不安や疑問を抱えていることは認識していると述べました。
次に、申告書控えへの収受印廃止について、税務署は「税務行政DXの一環であり、押印を行わない方針である」と説明しました。提出事実の確認はe-Taxの受信通知や閲覧申請、納税証明書などで可能であり、金融機関にも収受印の提出を求めないよう要請していると述べました。しかし参加者からは、「金融機関で別の証明書を求められた」「収受印がないため書類提出漏れが起き、追徴課税になった」といった実際のトラブルが次々と報告されました。特に「その場で確認できないため、消費税の提出漏れに気づけなかった」という声は深刻で、収受印廃止が現場に混乱をもたらしている実態が浮き彫りになりました。また、「収受印を押さないことで職員の手間が省けるのか」との質問や、他県で柔軟な対応をしている事例を紹介し、広島北税務署でも独自の工夫を求めました。税務署側は「具体的な事例があれば個別に対応する」とし、対面受付時に書類の確認を行うなど改善を進めていると回答しました。

続いて、急速なデジタル化により高齢者や小規模事業者が取り残されている実態が訴えられました。
「紙の手続きが切り捨てられているように感じる」「相談会でアルバイトが控除書類を除外し、高額な税額になった」といった具体的な問題も示され、相談対応の指導徹底を求めました。
税務署側は「デジタルに不慣れな方向けの相談窓口を設けるなど対応したい」とし、不適切な対応があれば管理者に伝え指導すると述べました。
また、ホルムズショックによる資材高騰や不況の影響で、約束していた分割納税が困難になった事業者への対応について質問がありました。税務署側は、猶予期間は原則1年としつつも、「1回遅れたからといってすぐに滞納処分には入らない」と明言し、事情を聞いた上で納付を待つなど柔軟に判断すると述べました。ただし、支払いが難しくなった段階で必ず事前に相談してほしいと呼びかけ、納税者とのコミュニケーションの重要性を強調しました。
税務調査については、民商側から「第三者立ち会いを認めないのは不合理」「おとり調査や反面調査の乱用をやめるべき」「威圧的な態度や執拗な電話連絡を改善してほしい」と強く求めました。特に「勤務中に何度も電話がかかり、仕事が中断された」「返事を得るまで何十分も粘られた」といった声は、納税者の負担を大きくしている実態を示しています。税務署側は、守秘義務の観点から第三者立ち会いは原則認められないとしつつ、「調査官が丁寧な対応を心がけるよう指導する」と回答しました。
また、配慮に欠ける連絡があった点については是正し、事務運営指針の遵守を徹底すると述べました。
一方で、おとり調査や反面調査については「必要と判断すれば行う」との姿勢を崩しませんでした。

今回の交渉では、税務署側から「執行機関としての限界」や「デジタル化推進の方針」が繰り返され、前回と大きく変わらない回答もありました。しかし、民商側が現場の具体的なトラブルを示したことで、金融機関への周知徹底、相談窓口の改善、調査官への指導強化など、一定の改善を引き出すことができました。
参加者からは「現場の声を伝えられたことが大きい」「次につながる交渉になった」との声も聞かれました。