福山税務署へ申入れ 反面調査・呼び出し調査等の改善を求める

福山民商は9月20日、物価高騰が収まらず新型コロナウイルス感染の影響が続く状況に加え、インボイス制度をめぐる混乱と不安が広がる中、中小業者が安心して営業し暮らしていける税務行政の実現を求めて福山税務署に申し入れを行いました。

福山民商からは藤井賢次郎会長=不動産=、田頭達行税金対策部長=衣類品販売=、事務局2名が参加。福山税務署の石原誠治総務課長、柳本裕昭課長補佐が対応しました。

5つの申入れ項目藤井会長が中小業者に徴税強化と多大な事務負担を強いるインボイス制度の実施の中止を含む5項目の申し入れ書を提出しました。

石原総務課長は、インボイス中止に対し「我々は行政機関であり立法機関ではないのでお答えする立場ではないですが、みなさんの意見は上級官庁に申し伝えます」と回答。

反面調査反対取引先や金融機関への反面調査については「署員が必要があると判断したときは、質問検査権に基づいて反面調査を行うことをご理解ください。個別事案によりますが書類が揃っている状況の場合は反面調査を実施しないこともあります」と回答しました。

藤本事務局長は「税務運営方針では、反面調査は客観的にやむをえないと認められる場合に限り行うとなっている。署員の一方的な判断で実施するのは間違っている」と質しました。行政指導従う、必要ないと確認さらに「行政文書で納税者を呼び出して修正申告を働きかける調査は慎むべき」と改善を求めました。

石原総務課長は「行政指導と税務調査は厳密に区別して行っている。個別事案によりますが行政指導から調査になる場合は納税者に伝え説明している」と回答。

行政指導であれば質問検査権が及ばず、従う義務はないことを確認しました。 罰則を設けて税理士以外の税務相談を排除する「税務相談停止命令制度」については、「一般的に解釈すると取引や財務状況など税額計算に関わる助言をする場合は可能性がある」と述べたのに対し、参加者は、命令制度について財務省・国税庁が国会で答弁した「命令処分をおこなうためには、税務相談の内容が脱税や不正還付の指南に該当し、納税義務の適正な実現に重大な影響を及ぼす場合」という制約を税務行政の現場で厳格に貫くよう求めました。

2024年1月開始に備え電子帳簿保存法を学習

一体何を電子保存すればいいの? 紙でも保存可能な範囲を解説

福山民商税対部会は11日、2024年1月から運用開始となる電子帳簿保存法について、「最低限の知識」を知ろうと習会を開催しました。

学習会は森川さん=北支部・(株)弘法オフィスマネジメント=が企画。16名が参加。

筌うけぐ口ち良幸さん=京セラドキュメントソリューションジャパン(株)=が講師として70分にわたる話の中で、取り組むべき準備と具体的対応と対策について分かりやすく解説しました。制度の範囲を解説筌口さんは「請求書をメールなど電子で受領した場合には、電子取引の要件に沿って保管する必要があります。紙で受領もくは作成した書類のすべてを電子保存する必要があると解釈している人も多いのでまず、適用範囲を明確化する必要があります」と助言がありました。

まず、やらなければならないこととして
 ①帳法の範囲(※左記)を把握する

 ②自社の作業対象を限定する(月取引件数)

 ③件数を算出して作業時間を見える化する

 ④システムを利用するか、自社で保存できるか検討する

の作業ステップを解説しました。

クラウドサービス等を導入して電子帳簿保存法対応を完璧にする方法と「適正事務管理規程」︵国税庁ひな形︶を自社で作成し、これに則したデータ保存処理をしていく2つの方法を説明しました。「クラウドサービスは月々費用が掛かりますので、自社の取引件数に応じて判断していただければと思います。月の電子取引が5枚までなら費用がかからない『適正事務管理規程』の方法を検討ください」と提案しました。

何のための制度?参加者からは「いままで通り紙でもよい範囲もあることが分かって良かった」「やるべきことがはっきりした」「取引先にメールではなく紙で送って欲しいとはなかなか言えない」「なぜこんな法律が出来たのか意味が分からない」「税務署の都合を押し付けられている気がしてならない。でもしっかり学んで対策することも大切」などの感想が出されました。

LPガス支援応援金の申請スタート <9/6(水)に申請学習会開催>

福山市はエネルギー価格高騰の影響により、LPガス料金上昇の影響を受けている市内中小企業者に対し、LPガス価格高騰分の負担軽減を図るため、価格高騰分の一部を補助する「福山市LPガス料金高騰対策支援事業応援金」の申請受付を8月22日からスタートしました。

対象になるのは福山市内に事業所を有し、今年1月~6月のLPガスの平均使用量が20㎥以上の事業者。補助額は今年1月~6月分のLPガス使用量1㎥あたり50円(上限30万円)です(都市ガスや電気料金は対象外)。申請手続きは書類による申請と電子申請があり、申請にはLPガスの使用量がわかる書類、預金通帳の写し、法人事業者は法人登記履歴事項全部証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)、個人事業者は税務署の受付印のある直近の確定申告書の控えが必要になります(申請期限は10月31日)。福山民商では9月6日(水)午後3時、午後7時に学習会を行いますのでご参加ください。

LPガス支援事業応援金学習会
【日程】9月6日(水)一部:15時~ 二部:19時~
【場所】民商事務所
飲食店事業者や溶接業の方などは対象の可能性があります。奮ってご参加ください!

新会員歓迎会会員同士助け合うのが民商

新会員2名が参加
福山民商組織対策部会は4日、民商事務所で新会員歓迎会を開催。新会員2名、役員・事務局8名、合計10名が参加しました。部員の細谷恵子さん=北・エステ=は新会員に喜んでもらおうとお菓子や飲み物を準備。同部員の松本聖美さん=城東・美容室=は折り紙と手書きのメッセージを添えて新会員を迎えました。

新会員紹介
民商の活動を紹介する動画を視聴した後、新会員が自己紹介。
衣料品販売業者は「少し前に入院し、しばらく休んでいたので確定申告ができなかった。また営業再開しようと思うのでまずは確定申告のことについて聞こうと思い民商に入会しました」と話しました。
造園業者は「税理士に任せていたがトラブルがあった。人任せではなく自分で勉強することが大切と思い入会しました」と入会の経過を話しました。
藤井賢次郎会長=不動産・幸千=は「10月からインボイス制度が実施され、今までは免税業者でも登録すれば来年3月に消費税の申告・納税を迫られます。国は軍事費を増やすために一番立場の弱い中小業者から税金を取ろうとしている。中小業者を潰すような税制はやめさせましょう」と挨拶。
藤本順也事務局長が民商の活動を紹介し、10月に行う広島県との交渉に向け営業動向調査への記入を呼びかけました。
新川政夫部長=機械塗装・北=は「税金や社会保険の徴収も厳しくなっている。民商は会員どうし助け合う活動をしているので、どんなことでも相談してほしい」と話し、
高橋由佳副会長=神辺・プレス加工=も「民商や支部の学習会、懇親会に参加して業者どうしのつながりを作って自分の商売に生かしてほしい」と活動参加を呼びかけました。

インボイス中止を訴える宣伝行動

宣伝カーで伝え、訪問で署名呼びかける
インボイス制度実施まであと2ヶ月に迫った8月1日、福山民商はインボイス中止の声を福山市内に響かせようと終日宣伝カー運行、商店街訪問行動を行いました。

10名で1日運行
宣伝カーの運行は朝9時から夜7時まで1時間交代で10名の役員が運行。
運行した役員から「インボイス中止に向けみんなで声を上げよう」と川崎博義支部長=料飲、飲食店=、「暑すぎてエアコンの効きが悪いけど、手を振ってくれた人がたので元気をもらえた」新川政夫副会長=北、機械塗装=と感想が寄せられました。

商店街を訪問
商店街訪問は中央支部の加賀副支部長と藤本事務局長で船町、延広町の商店を5軒を訪問しました。
たばこ屋さんの女性経営者は「登録しなくてもいいかなと思っている。たばこは10月に値上げされるし、インボイスが実施されると物価が上がるのでやめてもらいたい」と話し、婦人服販売の女性経営者は「すべて税理士に任せているからわからないことも多いけど、インボイスは零細事業者の税負担が増えると聞いた。小さいところばかりいじめるのではなく、大きいところからもちゃんと取ってほしい」と納得のいかない様子で話しました。
婦人部の岡崎貞子部長は「自分は運転できないから、運転した人が帰ってきたときに簡単に食べれるものを渡して元気になってもらいたい」と朝からいなり寿司を作って『お疲れ様』と運行者を激励。
西濱義夫前会長=西・鉄工=は熱い中頑張ってもらおうとスポーツドリンクを差し入れしてくれました。

第21回税金問題研究集会が都内で開催

『税金の民商』の本領発揮へ 納税者の権利守って来たことに確信を

全国商工団体連合会(全商連)は23日、東京都内で第21回税金問題研究集会を開催。
45都道府県から307人が参加し、福山民商からは藤井会長と藤本事務局長が参加しました。

インボイス制度の10月実施中止、自主申告運動に磨きをかけ「税金の民商」の本領発揮へ意思統一しました。
主催者あいさつで太田義郎会長は、岸田政権の大軍拡・大増税政策を批判し「今までと全く異なる税制にして大増税を進めようとしている。戦後、民商が納税者の権利を守って戦ってきたことに確信を持ち、民商を強く大きくしよう」と訴えました。

世界と逆行する日本
「納税者の権利保障と税務援助をめぐる世界の動向」と題して立命館大学の望月爾(ちか)教授が講演。望月教授は「OECD加盟国・非加盟国58カ国中、納税者の権利憲章を定めているのは52ヵ国、定めていない国も法律等で定めており、何もないのは日本だけ。世界は税務署の役割は税を取るための権力を振りかざすところではなく、納税者を『お客様』として『サービス』を提供する機関として位置づけられている」と述べ、納税者を犯罪者扱いをする日本の税務行政は世界の流れに逆行していると解説しました。

監視強化の狙い
中山眞常任理事は報告と問題提起で政府は高齢者の介護保険料2倍化、国民年金納付5年延長、扶養控除の縮小を検討し更なる負担増を検討していることを明らかにしました。大企業の優遇税制を示し、不公平税制の是正で51兆円の税金を捻出し、財源の面からも消費税減税、インボイス中止が可能なことを説明。今後の税務行政について内部事務をセンター化し調査、徴収の人員を増やすこと、クラウド会計ソフトや電子帳簿の利用を増やしデジタルインボイスで個々の取引の監視を強めようとしている狙いを述べました。最後に税務相談停止命令の運用に歯止めをかけるために自主申告運動に磨きをかけること、「税金の民商」の本領を発揮し仲間を増やすことを強調しました。

活動報告
活動報告では、議員に制度を説明し、県内35自治体の過半数、20市町村でインボイス中止・延期の意見書を採択した高知県連、会外業者向けのインボイス相談会を旺盛に取り組み、仲間を増やしている沖縄県連、みんなで教え合う確定申告運動で3・13重税反対統一行動の参加者を3倍に増やした大阪・摂津民商、倉敷民商弾圧事件勝利への活動が報告されました。

アンケートに答えて中小事業者の要望を県に届けよう

広島県『県の施策に民商の声必要』福山民商で500名集めよう

広島県商工団体連合会(以下県連)は16日に常任理事会を行い、昨年に続き今年も営業動向調査に取り組むことを決めました。民商・県連は広島県が定める中小企業小規模企業振興条例の支援団体として認められ、年に一度広島県と個別会議を開いています。
昨年の個別会議には県内事業者2789名から寄せられた声を基に要望し県側は「この調査は大変重く受け止めている。県の施策を届けるには民商のような団体が必要」と評価しました。この懇談の様子は広島ホームテレビでも報道され、中小業者の要望を行政に知らせる団体であることが広く知れることになりました。
物価高騰に加え、10月から始まるインボイス制度で業者の不安は広がっています。
地域経済を守る主役は地域の中小業者であることを改めて行政に示すために今年も動向調査に取り組みます。
〆切は8月31日、集まる機会や訪問を通じてみなさんの状況を聞き、会員の半分の500名分の調査を集める目標で取り組みます。調査用紙またはパソコンやスマホでも回答できるフォームを作っていますのでみなさんご協力お願いします。この調査は会員だけでなく読者や会員以外の方でも参加できますので、まわりの業者にも声をかけてください。

商工新聞中心の活動と班支部建設全国交流会オンライン

福山民商の取り組みも紹介
全商連は6月25日に「商工新聞中心の活動と班支部建設」全国交流会をオンラインで開催。
40県連・156ヶ所から参加。福山民商の新川政夫副会長がパネラーとして福山民商の班・支部活動について紹介しました。

商工新聞の魅力
はじめに商工新聞の原編集長が「全国商工新聞の魅力と役割」と題して講演。「芸能関連の皆さんと支援金の拡充で自民党議員を訪問した際、『全商連は上手にやったね』と言われ、最初は何のことか分からなかったが、持続化給付金をつくらせたことと後で分かった」、「財務省系列の『税のしるべ』という雑誌で、商工新聞を参考にしているという話にはビックリした」など、取材での裏話などを織り交ぜ、商工新聞の魅力を豊かに紹介しました。
報告と問題提起では、
①情勢の焦点と全会員参加の運動
②商工新聞中心の活動と世論・運動の組織
③班・支部建設と学習相談・運動の継承という3つの角度から行われ、
広島県連の自治体懇談や福山民商の拡大推進委員会での様子が紹介されました。

新川副会長が報告
パネルディスカッションでは、新川副会長が登場し、福山民商では商工新聞を96%組織配達していること、15日集金で110円、月末集金で50円を支部に還元し、支部活動の原資にしていること、毎週木曜日に支部の役員が商工新聞の折り込みを担っていることなどが多彩に紹介され、「私も商工新聞を配る際、声をかけて届けている。北支部では支部長を中心に女性役員が活躍してます」と紹介し、質問も多く寄せられました。
全体のまとめ報告で全商連の加賀副会長は「商工新聞中心の活動、班支部活動が弱まれば、民商が弱くなってしまう。会議の内容を各民商でも深め合い、ともに前進を目指しましょう」と締めくくりました。

民商での学び、困難を突破消費税170万円が無担保で分納に

「税務署での受け答えに自信をもてた」

高田さん(仮名)=東1・建設業=は消費税の換価の猶予の申請をしました。
民商でPC記帳をしている高田さんは「今期は前期よりも売上が大きく増えたな」と思いながら記帳を進めていました。
今期から消費税の課税事業者となった為、初めての消費税の申告書を作成しました。
「税額が170万円なんて一括ではとても納められない」算出された税額に驚き、すぐに民商へ相談。対応した事務局員は『換価の猶予』の申請を勧め、高田さんは申請をすることにしました。
後日、税務署で話し合いが行われ無事、換価の猶予の申請が決定。
高田さんから民商に感謝のお手紙が寄せられました。

高田さん(仮名)の手記
売上げに変動があり、会社を維持していくのは大変です。民商へ相談に行くとその場で心よく対応して下さり、換価の猶予の申請の手続きを教えて頂きました。わからない事も1から丁寧に教えて下さり、とても勉強になりました。申請書は決算書と一緒に提出をすることが出来ました。
数日後、税務署から電話があり「話を聞かせてください」との事でした。
すぐ民商に対応の仕方を聞くと「大丈夫ですよ、書類にきちんと記載しているし何かあったらいつでも連絡して」とやさしい言葉をかけてくれました。
民商で学習させて頂いたことを思い出し税務署へと向かいました。
税務署では提出した書類の確認を行い、職員から・今の状況・取引の内訳(売上・売掛金・買掛金)・お金の流れ(1ヶ月分の通帳をもとに)を質問されましたが民商で学んでいたので全て答える事が出来ました。学習したことが生かされる内容ばかりでした。
本来は担保が必要でしたが、提供できる担保がないことを伝えた結果、担保不要になったことは自分で意見を言う自信にもつながりました。民商は日々の記帳やどんな事にも対応して下さり、心の支えや一歩踏み出す勇気を頂きました。
最後は自分自身で決断し、換価の猶予の申請を受けたことによりたくさんのことを学びました。今回の経験は必ず今後に生かされると思います。もしつまづいても、時間がかかっても一つひとつ解決をしていくことの大切さを学ぶことが出来ました。