民商・全商連の運動によってつくらせた一時支援金・月次支援金。民商・広島県連でも活用を進めてきました。
昨年、広島県にも緊急事態宣言が出され、月次支援金の活用が広がりました。
多くの仲間が活用できた一方で、書類に不備があるとして対応を求め、対応しても次から次へと不備通知が送られる「不備ループ」に陥っている仲間が10人います。
年の瀬の迫った12月27日、2人の仲間が不備ループを突破しました。
広島西部民商 仲間の支えがあったから頑張れた <尹立軍さん・東是㈱>
一人は広島西部民商の尹さん(健康・美容関連製品販売)。
昨年、知り合いから民商を紹介され、西部民商に入会した尹さん。
民商と一緒に持続化給付金・一時支援金を申請し、4月から8月分の月次支援金を申請しました。
時支援金は無事に実行されましたが、月次支援金は4月分を申請して2ヶ月間放置されたのち、不備の依頼が届きました。事業実態や反復・継続取引の確認として「3年分の帳簿・領収書を全て」など、必要以上の追加資料を求められました。
尹さんは民商事務所に通い、関事務局長と不備解消に向けて何度も申請するも改善されません。尹さんは「コールセンターに連絡するも1時間も待たされた後、質問に対して『具体的には教えられない』など、申請者に寄り添う対応が全くなかった」と振り返ります。12月2日、全商連が行った中企庁交渉に広島民商の高岡事務局次長が参加し、広島県内で不備ループになっている仲間の要望書を中企庁に提出。尹さんも要望書を託しました。一つ一つ不備解消を行い、12月27日、4月から8月申請分について5月を除いた4ヶ月分が実行されました。
尹さんは「不備への対応では、税務調査のように感じた。
民商に入って関さんをはじめ民商の支えがなかったら解決できなかった。
これから事業復活支援金も始まりますが、自分の経験を仲間の申請に生かしてもらいたい」と話します。
広島民商 これで年が越せる! <濵田榮さん 個人タクシー>
広島民商の濵田さんは一時支援金と4月から7月分の月次支援金は全て実行されましたが、8月分から「提出した書類では給付要件を満たさない恐れがある。追加資料の提出を」との不備ループが始まりました。
濵田さんは「提出しているものはどの月も同じなのに、なぜ8月だけ?」と民商事務所に。松本事務局員と2019年から直近までの帳簿3年分、対象月・直近2ヶ月の全ての請求書・領収書など不備メールに対応。3回にわたる不備メールに対応し、マイページが振込手続中に変わりました。
濵田さんは、「一人では電子申請も、再三の不備メールも対応できなかった。
仕事中、月次支援金からくる不備のメールを受け取っていた時は『もうダメだな』と思ったけど、不備でストップしていた8月から10月までが年末に一気に振込中になったときは、『これで年が越せれる』と思った」と笑顔で話します。
広島西部民商 みんな仲間、だから頑張れる <西本要司さん ほてい屋>
月次支援金の不備ループを突破した仲間の喜びの声は不備ループ打開を目指す仲間の背中を押しています。
広島西部民商の西本さん(中古厨房機器販売)は7月と9月分の月次支援金を申請し、必要以上の追加資料を求められています。
12月28日、広島民商事務所では、不備ループ解消に向けた対応で、帳簿と領収書を整理し、対応する西本さんと高岡さんの姿がありました。
西本さんは月次支援金の事務局の対応について「不備の指摘には不透明感がある。何をどのように対応しろというのか指示が分からない。対面なら聞いて対応もできるのに、不備メール1本で知らせるだけ」と憤りを隠せません。
一方で「一人ではどうやっても対応は無理で、とっくに諦めていたと思う。民商に行くと『みんなが仲間』という感覚で、連帯感があるので頑張れる」と笑顔で話します。広島民商の高岡宣次長は「広島県から誰一人、不給付の方を出さないため、本人さんと一緒に頑張る」と話します。