営業動向調査を力に政策提言2022を提案

コロナ危機打開!原油価格・物価高騰から営業と生活を守ろう
― 広島県・中小業者支援団体との個別会議 ―

広島県商工団体連合会は広島県中小企業・小規模企業振興条例に基づく中小業者支援団体であり、
毎年秋に広島県と個別会議を開催し、政策の提言を行っています。
10月6日、5回目となる広島県との個別会議を開催しました。
全県で取り組み2798名から回答を得た営業動向調査から小規模企業・家族経営者の置かれている状況と施策を通じて持続可能な地域社会の実現を目指して作り上げた「政策提言2022」を広島県に提出し、懇談しました。
懇談の様子は広島ホームテレビでも報道されました。

民商・県連からは藤井副会長を先頭に13名が参加。
広島県からは商工労働局から長谷川総務課長、渡邊経営革新課長をはじめ4名が参加。
政策提言に基づいて90分意見交換を行いました。
権田副会長があいさつし、藤井副会長が「2798名からの思いを込めた政策提言です」と紹介し、長谷川総務課長に政策提言を手渡しました。

直接支援について
長谷川課長は「県内自治体と連携し、自治体が行う中小業者支援制度への財政支援を9月議会で予算化し10月から実施する。
広島県として県内市町が地域の実情に合わせた支援制度づくりを呼びかけており、広島県として1/2を補助するとし、6億円を予算化した。各市町から要望が多く出された時は補正予算を組むことも検討しており、制度設計に役立ててもらいたい」と回答しました。
参加者は「今日の個別会議を受けて、県内自治体とも懇談を広げます。
広島県の補助も支援制度の創設に生かしたい」と話しました。
広島県としての今後については「地方創生臨時交付金(物価高騰対応追加分)の財源を活用した支援を検討している。
県内の中小企業・小規模企業の経営環境を調査し、今日の意見交換も参考に状況をしっかり把握・分析し、適切に対応していきたい」と長谷川課長は応え、参加者は「売上減少要件を緩和し、粗利の減少にも対応した制度設計を一緒に考えてもらいたい」と要望しました。

小規模企業・家族経営者の実情を紹介し支援制度の充実を迫る参加者

金融支援について
渡邊課長は「コロナ禍が長期化し、収入の低迷が続いている事業者が多いことは承知している。
実質無利子・無担保(ゼロゼロ融資)については、今まで借りた償還期限を猶予期間を含めて事業者の返済負担を軽減できるよう、全国知事会等を通じて国へ強く要望している。
営業動向調査に記載されたみなさんからの声にも融資の声が多かった」と回答しました。

=飲食業=(広島民商)
流川で音楽の楽しめるお店を経営しています。
感染対策をして融資も受けながら事業を継続していますが、今が一番大変だと肌で感じています。8月以降の大変さがずっと尾を引いて、円安による物価高騰が影響していることは理解できるが、補助金がない事と合わせ、風評被害的な事をすごく感じている。流川が感染源の様な雰囲気を変えたい。業者だけでは限界があり、行政も知恵を貸してもらいたい。


=運送業=(三次民商) 高橋さん
運送業はここ数年来の価格高騰で大変な状況。私の会社は三次市で従業員14名、50年近く続けてきた商売の中で今ほど大変な時はない。燃料代の高騰が影響し、去年と今年の売上が同じくらいの月を比較しても燃料代が20万円ほど差がある。
燃料代が上がっても価格転嫁することは困難な状況。

こうした状況から資金繰りにも困難をきたし、8月末に予備のトラックを売却し支払いに充てた。
トラックの次は経営をどうすればいいのか考えざるを得ない。
融資制度は売上が減少していないので活用が難しく、銀行から資金繰り表を求められても書きようがない。支援制度の充実と合わせ、現在の借入金の凍結・借入期間の延長を切に要望します。

コロナ陽性者への支援
長谷川課長は「小規模事業者の実態把握を行い、政策提言に寄せられている声も踏まえ、
個人事業主を対象とする休業支援制度を含む支援については国へ要望する」と回答。
三次民商の作田事務局長は広島県国保課との懇談した事を紹介し、コロナで陽性となった事業者への支援の必要性を強調しました。


インボイスについて
渡邊課長は「インボイス導入にあたっては、みなさんをはじめ他の経済団体からも声をもらっている。
インボイスを発行できない免税事業者が経営が悪化する、事業者の事務コストが増える、制度自体が知らされていない。記述欄にみなさんの声がたくさん書かれており、こうした声を国へ届けていきたい」と回答しました。

コロナ支援金は非課税に
長谷川課長は全国知事会を通じて令和2年4月に「コロナウイルス対策本部から特例的に非課税の扱いとすべき」との提言を行っている事を紹介し、「みなさんの声を届けたい」と答えました。

----------【政策提言】----------

1.地方創生臨時交付金を活用した中小業者への直接支援
 ・広島県頑張る中小事業者月次支援金を新たに創設し売上要件を緩和し、4月~9月までの売上減少に対応する制度に

2.中小企業・小規模企業への金融支援
 ・同一制度以外も借り換え可能な融資制度を創設
 ・20年返済、10年据え置き、完全無利子の融資制度の創設

3.小規模企業及び家族経営者が新型コロナウイルス感染症の陽性となった場合、安心して療養できる支援制度の創設
 ・国民健康保険による傷病手当制度(事業主特例の制定)
 ・休業支援金制度の創設

4.インボイス(適格請求書等保存方式)について
 ・2023年10月から始まるインボイス制度まで1年を切る中、インボイスが事業に与える影響について「分からない」が47.7%という状況です。広島県としてインボイスが小規模企業・家族経営者にどの様な影響を与えるかを掴み、政府に実施中止・延期を要請してください

5.コロナ支援金に税金をかけるべきではありません
 ・国及び自治体によるコロナ関連給付金は所得税法上、収入となり課税対象となるため、所得税・住民税・国保税の負担が増える事により、事業を継続していくための制度としての役割がそがれます。事業継続を支えることによって本来の営業所得を回復できるよう、コロナ関連の給付金等は非課税とすること国へ要望してください。

6.納税要件の取り扱いについて
 ・納税緩和措置の適用を受けている納税者については、納税要件を満たたものとして各種申請等の対応を行うこと