8団体が緊急に呼びかけ!自主申告運動と権利憲章の制定を

自主申告運動の擁護・発展をめざすシンポジウム
5月24日民商・全商連を含む8団体で構成する『自主申告運動の擁護・発展をめざす懇談会』はオンラインを通してシンポジウムを開催。
3月28日に成立した『税務相談停止命令制度』は国・税務署が納税者同士の相談活動や自主申告運動に介入し、納税者の権利を脅かす恐れがある制度です。
全国372か所からオンラインの視聴があり、三次民商も視聴しました。

最初に基調講演を浦野広明税理士が『自主申告運動の視点』と題して講演しました。
浦野税理士は「税理士は他人の求めに応じて租税に関する事務を行う職業である(税理士法第2条1項)。
一方、納税者の自主的な団体は自分の意思で会員が営業と生活を守るために運動している。そのためこれらの団体は税金に関する自主的な活動をしており、財務大臣命令が述べる税務相談とはまったく無関係である。停止命令の論点は濫用の必然性の有無で、一つは法案そのものが濫用を予定して作られている点であり、他の一つは、現行の税務行政が『強気を助け弱気をくじく』実態から論証できる」と説明され、「憲法を武器に運動を強める必要が迫られている」と解説されました。

続いて西田穣弁護士がこの法案の問題点を説明され、倉敷民商弾圧事件の判決で、適正な税業務だったが、税理士法違反で有罪という意味が分からない主文となっている事自体おかしいと解説されました。

続いて平石共子税理士が海外との比較を説明され、海外先進国では税務援助の実施機関は国の課税庁もしくは納税者団体が行い、援助者には民間ボランティアが行っている。
一方で日本は税業務は有償、無償問わず税理士以外の者が行ってはならない無償独占となっている。
小規模な事業者は経済的な理由から税理士に依頼できない場合が多く、世界の援助制度を比べてみてもいかに立ち遅れているかを講演されました。

次に大矢良典税理士は今の税理士法自体改正が必要なのになおさら悪い方向へ逸れている現状だと訴えられました。
全商連の中山常任理事からは、「8団体の共同が運動の推進になっていて、3カ月間という短い期間だったが16万970人分の署名が集まった。
財務省要請は4回にわたり、国会論戦へ結実。納税者同士で一般的な知識を学び合うような取り組みを対象にするものではないと答弁させ、併せて命令処分を行うには、税務相談の内容が脱税や不正還付を指南するものであるかといった要件の該当性を確認した上で措置を取る必要があるか判断するという制約が課せられることや処分の前に弁明の機会が与えられることが明らかになった」と報告。
群馬我妻民商の税務署交渉で総務課長が「民商の税金相談は命令制度に該当する可能性があるので控えてください」と回答した事例についても5月8日に全商連は財務省・国税庁に対し指摘をしました。
財務省・国税庁は「国会答弁の内容につきる」「夏ごろまでに出される税制改正の中で考え方を示していきたい。今回の指摘は庁内で共有し、運用の段階では法改正の趣旨や中身を職員に徹底する」「特定の団体を対象としたものではない」と明言しました。
この間の横行する不当事例にも触れ、納税者の権利憲章を早期に進めていく必要を共有し、自主申告運動に磨きをかけていくことが確認し合いました。