第5回 全商連「経営対策交流会」心のオアシス 料飲業を盛り上げよう!

6月21日(水)、全商連主催のオンラインでの「経営対策交流会」第5回目が開催され、広島北民商事務所からオンラインにつなぎ、要求運動部から高竹副部長と牛田事務局員が参加しました。
今回は『心のオアシス 料飲業を盛り上げよう!』をテーマに、料飲業の3名の会員さんの経営事例の発表と、専門家による学習講演で商工新聞に「スナック千夜一夜」を連載している東京都立大学教授・夜のまち研究会代表の谷口功一さんの講演がありました。

コロナ禍に負けず奮闘した仲間の声を紹介
1人目は、東京でスナック「あけぼの」を営む難波妙子さん。
もらい火による店舗焼失にあったものの、地元常連さんらの支援で危機を乗り越えて営業を継続。
地元の人たちが助け合う、地域の『絆』の確かさを体現する店になったそうです。
「大切なのは誰もが安らげる居場所。お店や地域にかかわる人たちの繋がり」。
コロナ禍ではお酒が飲めず、時間短縮されカラオケが歌えなくても、喫茶店のようになっても、「ずっと休むのは自分の精神的にも、お客さんのためにも良くない」と思い、1時間でも店を開けたそうです。
そして、お店や自宅からSNSを使って配信し続け、フォロアーも増えていきました。
地域の方々に支えられた大人のコミュニティーの場として毎日いろんな人たちが様々な過ごし方で賑わい、民商活動では『夜オリ』など積極的に参加して、地域を活気づけています。

2人目は福岡で食堂「かどや」を営む賀川洋之さん、乙女さん夫妻。
地元漁港の獲れたて鮮魚や地元農家の直売野菜をふんだんに使った「家庭料理」が評判だそうです。
開業46年。味と健康に気遣いを欠かさず、「カロリーひかえめ」の健康サポート店にも登録されています。
コロナ禍で一時は店を閉める事も考えたそうですが、踏みとどまり、地域と交流を大切にして、グラウンドゴルフや山笠などの親睦会をつくり、お客さん同士をつないでいます。
地域の小さな祭りやイベントにも積極参加。店裏のスペースで焼きそばを出すなど、憩いの場を提供しています。
市内ではインバウンド効果も徐々に波及。女将さんは「近くにゲストハウスもでき、アメリカやオーストラリア、インドのお客も食事やお酒を楽しんでくれる。英語を覚えて、まだまだ頑張りたい」と意欲的でした。

3人目は新潟のヤキトン酒場「あんたが太陽!」の河原真吾さん。
ヤキトンとハイボール、80年代の懐かしいサウンドにこだわって、「元気な営業」を心がけています。
県内有数の飲食街をかかえる駅前支部で支部長をつとめ、「仲間の励まし合い」をすすめようと、飲食業者交流会に率先して取り組んでいます。コロナ前は2店舗あり、従業員も10名いましたが、コロナ禍による苦渋の選択で1号店を閉め、2号店で一人で頑張られています。40代・50代のパパさんが元気になるように、店の音響設備を整えて、月に1度日曜日に昼から夜までライブを開催するなどして交流をしているそうです。

飲食店=憩いの場が無いと社会にも悪影響が
谷口功一さんの学習講演では、厳しい経営環境の下でも頑張り続けている料飲業者の努力や心意気、お店を支える地域との触れ合いなどを、当日の経営事例報告にも触れながらお話していただきました。
コロナ禍がピークを越えたとはいえ、未だに客足が戻っていないお店は沢山あります。工業地域などは、コロナ感染者が出ると製造ラインが止まってしまうため、現在も会社からの指示で飲食店に行くことが出来ません。
地域経済を少しでも元気にするために、役所の職員や市長は率先して飲食店に行って欲しいと話されていました。
飲食店は「サードプレイス」=自宅、職場とは別に存在する居心地のいい居場所だと話されました。
ストレスの多い現代社会において、ストレスから解放され憩うことのできる場所の重要性があります。
イギリスでは、コロナ禍でパブやカフェが激減しました。その結果、右翼政党が増大しているそうです。
それは、人は本来、集まって話をすることで、ストレスを発散したりアドバイスをもらうなどで、自然に軌道修正されているが、その様な場がないと軌道修正されないという事でした。確かに憩いの場は大切だと思いました。
「経営対策交流会」は連続講座なので、今後も民商事務所からオンラインで参加します。
「商売の語り合い」をはじめとする経営要求に応える活動は、会員の拠り所として民商の魅力を広げる上で、欠かせない取り組みです。業種別ごとの開催予定ですが、業種が違っても得るものはあると思います。
是非、みなさんも参加して下さい。