安心できる社会保障はいのちを守ること!

広島市社会保障推進協議会(社保協)総会を開催
10月14日、民商や労働組合などで組織する広島市社会保障推進協議会(以下 市社保協)の総会が開催され約50名が参加しました。私たちの生活に大切な社会保障ですが、コロナ禍の中でも、医療施設の統廃合、医療従事者の削減、生活保護費の削減、年金、介護保険の負担増と給付削減などが、政府の「骨太の方針」のもと進められています。なかでも政府は、マイナンバーカードの強制をはかるために、2024年秋からマイナ保険証を導入して現行健康保険証の廃止を打ち出しています。健康保険証の廃止は国民皆保険制度の崩壊をもたらすといわれ、国民医療の重大問題になっています。
市社保協では毎年、国保・介護の問題などで、広島市との交渉をくり返しています。しかし市は、国の政策に追随するばかりで、年々上がる保険料に苦しむ市民の願いに耳を傾けようとしません。
今回の総会では社会保障の根幹でもある医療のセーフティネット「国民健康保険」をしっかり学習しようと、講師に長友薫輝(まさてる)氏(佛教大学社会福祉学部准教授)を招いて学習を行いました。

長友氏は、①軍事費を優先すれば社会保障費は抑制される、②社会保障費優先すれば軍事費は抑制されるという言葉を例に、現在の日本は完全に①となってしまっている。ロシアのウクライナ侵攻などで危機感をあおり、米国の同盟国への軍事費増額要求に忠実に応えていると話します。

また、マイナンバー法を改正し任意と言いながらマイナ保険証とすることで事実上強制していること。
国保法改正に伴い「保険料滞納世帯主等」という文言を創設し、「デジタル化」を装いながら医療保障の内容を変更し、特別療養費(償還払い・・窓口で一旦医療費全額を支払わせ、後から返金する制度)の範囲を拡大させようとしていると指摘。この間、保険証を取り上げ(資格証明書を発行)たり、短期保険証(保険証の有効期限を区切る)の発行などの制裁行政は、保険料納付率の向上にはつながらず、逆に高額な窓口負担は国民を医療から遠ざけてしまっていると指摘。原因は「保険料納付は義務」ばかりが強調され、高すぎる保険料は大原則である「応能負担」が全く徹底されていないと訴えます。
これから国保の都道府県単一化が進められ、構造的な問題を抱える国保はますます厳しくなる。税・社会保障がますます改悪されていく中、地域の社会保障運動がますます重要になると締めくくりました。
70分の講演時間があっという間の分かりやすく説得力ある講演に、会場から惜しみない拍手が送られました(講演を視聴したい方は、動画がありますので広島民商事務局までご連絡ください)