市の保険年金課と制度改善求め懇談

手遅れ事例や滞納状況、使われていない減免制度など、問題点を指摘
広島北民商も加盟する広島市社会保障推進協議会(社保協)は7月8日(火)、広島市健康福祉局保険年金課に対し、国保料引き下げや資格確認書の一律交付などの制度改善を求め要請(左枠内)と懇談をおこないました。広島北民商から高竹会長(社保協・代表委員)と運営委員の計3名が参加。社保協から大畠順一代表委員(表面、共済総会で講演)や構成団体の14名と、医療生協、県社保協、日本共産党市議団から中村市議など計21名が参加しました。広島市からは保険年金課の辻下光晴課長ほか7名が応対しました。始めに大畠代表委員より要請書を渡し、広島市からの回答を受ける形で懇談しました。

高い国保料と使えない減免制度
高すぎる国保料については、令和7年度は4人世帯(所得300万円)で年間57万円の負担になるなど、所得に占める割合が年々高くなっています。低所得世帯では国保料を払えば生活保護基準を下回るケースも多く、高すぎる保険料が生活を圧迫し、滞納も多発している状況です。
市は「一般会計を繰り入れて、負担増を抑えている。相談してもらえば減免や生活保護などを案内している」と回答しました。しかし、実態は減免制度の利用は少なく、所得減少時の申請減免は全世帯の1.8%、滞納世帯の13%に止まっています。
窓口での一部負担金減免に至っては施設の申請以外は1年間の申請件数0件という状況でした。

参加者からは「減免基準が厳しい。申請が0件の区もあり、窓口対応も含め機能していない」、「滞納世帯の6割が所得100万円以下。低所得者に生活保護基準を下回るほどの負担を押し付けながら、恒常的な困窮者は減免制度の対象にならないなど、国保制度に根本的な問題がある」と指摘しました。
広島共立病院からは、それらが原因で受診が遅れて深刻な事態に陥る『手遅れ事例』について告発がありました。調査では治療中断や未受診が18件、うち3名が亡くなられています。特に国保加入者は、制度を原因として経済的な理由による受診控えが起きています。
手遅れ事案を調査しない市の姿勢に「実態を把握し、市民の命を守る具体的な対策を」と強く要望しました。

広島県が2030年以降の実施をめざす県内統一保険料との関係も議論しました。
国保料の1人当たりの平均額は令和5年度14.5万円、令和6年度15.5万円、今年度16.6万円というペースで上昇しています。市は県の試算額(17.5万円)に対し「将来的には県の数字(高い方の水準)に近づける事になる」と回答しました。
参加者からは「今でも払えずに滞納になる人が多い状況で、保険料の上昇を『しょうがない』と言っている場合ではない」と市の姿勢に抗議し、保険料抑止に向けた要望を国や県に強く求める事と、一般会計からの繰り入れなど市独自の対応を求めました。

マイナ保険証も柔軟な対応取れず
マイナ保険証の問題では、有効期限切れによるトラブルなど混乱が広がっています。後期高齢者には資格確認書を一律交付することになりましたが、国保は一部の自治体で全員送付をおこなうものの、広島市は準備の問題などを理由に否定的な回答でした。一方でマイナ保険証の有効期限切れの場合、3ヶ月以内に更新手続きをしていない人に資格確認書を送付する取り扱いについて回答もありました。個別対応では手間がかかる上、保険証は命に係わる問題だとして一律送付を強く求めましたが、市は「改めて検討する」と答えるに止まりました。
参加者は、国保料の高さやマイナ保険証の問題が市民の命や健康に直結する深刻な事態を引き起こしている現状を訴え、市に対し「国や県の動向に追随するだけでなく、市民の立場に立って独自の判断と対策を講じてほしい」と強く要望し、今回の懇談を終えました。

広島市への主な要請項目(要旨)
① 支払うと生活保護基準を下回るなど、生活を圧迫する高すぎる保険料を改善すること
②期限切れなど混乱を生むマイナ保険証の有無に関係なく、全加入者に資格証明書を一律に送付すること
③国保の県統一化は更なる保険料の引き上げにつながるため見直すこと
④保険料減免・一部負担金減免が制度として機能していない事態を改善すること
⑤貧困を原因とした受診抑制が手遅れ事例を起こしていることを認識し改善すること