民商や労働組合などで組織する広島県社会保障推進委員会(以下「県社保協」)は、10月29日、国保料引き下げなど社会保障改善を求め、広島県に要請しました。
県社保協として、民商県連、民医連、保険医協会、医療生協などから14名が参加。広島県側は国民健康保険課の佐々木宣典課長ら2名が応対しました。また藤井敏子県議会議員(日本共産党)が同席されました。
冒頭、県社保協事務局長の作田さん(三次民商)から、広島県の国保料が全国で唯一、全市町(23市町)で上がっている点を指摘。物価高騰が続く中、生活や営業、年金生活が「大変困難」な状況にあると訴えました。また、高額な窓口負担で治療が必要であっても受診を抑制せざるを得ないこと、県内多くの医療機関(病院)が赤字となり経営が非常に厳しい事態となっていること。このままでは、地域医療の提供体制が維持できず、国保制度の根幹である県民の健康と命を守ることも困難になると訴えました。
参加者からは、本来社会保障であるはずの国保の保険料を支払うことで、生活保護基準を下回る所得しか残らないという制度的矛盾が発生していること。広島市のデータを例にすれば、滞納世帯の約81%が所得200万円未満の低所得者層であり、負担能力を超えた保険料が課されている実態を訴えました。
また、保険料の滞納が医療へのアクセスを妨げ、受診が遅れる「手遅れ事例」を発生させるなど、県民の命に直接関わる問題であり、国に対し抜本的な財政支援を強く求めると同時に県としてしっかりした対応を要請しました。
こうした意見に対し、県の担当者は、国保制度は国が設計したものであり、財源構成(公費50%、保険料50%)を県が独自に変更することは困難であるという基本的な立場に終始し、制度全般の見直し議論の動向を注視するとの回答に留まりました。
さらに、国保料の問題に加え、医療を受けるための基盤である地域医療機関そのものが、物価や人件費の高騰により経営存続の危機に瀕しているという点も指摘。医療機関の減少は、特に公共交通が不便な中山間地域において交通費などを含め、物理的・経済的障壁が県民の健康を脅かすと訴えました。
この問題に対しても県は、診療報酬、財政支援についても国の動向を注視するとの回答に終始するなど、県民の「いのち」を断固として守る姿勢が感じられないものでした。
混乱を避けるため、資格確認書を全加入者に一律送付するなど9点に渡って、現場の切実な声に基づき県の主体的な行動を繰り返し求めましたが、県は国の制度設計や動向を重視するという立場で議論が深まることになりませんでした。
最後に藤井県議から「国の制度だから」という繰り返しの説明は、県民の命と健康を守るという地方自治体としての根源的な責務を放棄することになる。県民の窮状という実態を真摯に受け止め、国に現状を訴えると共に、県独自の対策を講じるという当事者意識を持つよう、強く要請し終了しました。



