調査、徴収より相談できる税務署を国民は求めている

三次民商は12月2日に三次・吉田両税務署に申し入れを行い、交渉を行いました。
三次税務署から松山総務課長、安達係長、吉田税務署から谷岡総務課長が応対し、三次民商から国重会長、植野税対部長他2名が参加しました。

まず税務行政の急激なデジタル化への移行により、今年から収受印押印が無くなりましたが、今まで税務署内に置かれていた年末調整関係書類も一斉に無くなりました。源泉徴収票(給与支払報告書)や法定調書合計表、総括表などの必要書類は国税庁のホームページからダウンロードとなり、デジタル化についていけない事業者には冷たい対応となりました。
また説明会は市役所と一緒に広報などで周知し2回ほど行ったそうですが、それ以外が予約制で行っているそうです。「急にまったく無くすのはいかがなものか。税法も難しくなる一方でなかなか専門的な部分で理解が難しい事業者には今まで通りの対応を」と訴えました。
特に令和7年の所得税計算は基礎控除、給与所得控除、扶養要件の見直し、特定親族特別控除の創設など大きな改正があり、総務課長からも「今年は大きな変更だと思っている」と言うほど変わっています。「民商にも説明会をしてほしい」と訴えました。

三次民商の会員で起きた事例についても話しました。
税務署に相談したところ「電話相談センターへ」と言われました。税務署からは「コールセンターの対応は全国の署員が行っている」そうですが、納税者にとって税金が関わる重要な事案だけに所轄の税務署員と会って対話というのが大きな安心感を持たせます。「各地域に必ずある税務署に聞きたい。難しい税法に親身に対応していただくことが納税意欲につながる。調査や徴収ではなく、総務を重要視してほしいのが納税者の望み」と訴えました。

昨年に行われた定額減税制度ですが、所得税がかからなく税務署にプールしている状況。ですが今年の前半納付(納付の特例)に今まで通り預かった所得税を払った事業者が多くいます。税務署主体で還付税と同様に事業者に返還する方法をと訴えましたが、「制度上難しいので」とのことでした。
 
参加者からは「三次市の町を歩いてほしい。税務署近くの商店街も個人事業者が後継者なく閉店していって、大都市では発展しているかもしれないが地方はすたれる一方。なのに物価高騰は等しく襲ってくる。地方の納税者に寄り添った税務行政を」「日本は納税者の権利憲章が無い。本当に多くの国々が納税者の権利を認めているのはお互いにとって好都合だから。国は納税の必要性を促すことができ、納税者は権利を認められているので納税意識が生まれる。今の日本は国と納税者が敵対関係のような状態」と訴え、上級官庁へ中小業者の思いを伝えてほしいと切望しました。

ーーーーー申し入れの内容ーーーーー
1.税務調査は本来任意であり、税務運営方針を遵守して納税者の理解と協力を得て行われるべきものであるにもかかわらず、職員の一方的な判断により、質問応答記録書の強要、経費否認、電帳法を理由としたパソコン内部の開示強要などの事案が全国的に発生しています。税務運営方針を遵守し、不当・強権的な調査を行わないでください。納税者支援調整官が実態として機能するよう役割を見直してください。

2.インボイス制度の「2割特例」及び「8割控除」の期限が迫っています。ただでさえ消費税法の要件周知が不十分なまま、インボイス制度において強制的に課税業者となった納税者は、現在の2割特例期限後には「本則課税」と「簡易課税」の制度へ移行します。このままでは世界に類を見ないほど異常に厳しい消費税法により、意図しない消費税仕入控除否認案件の激増が懸念されます。法の周知は国税庁の責任であることを自覚して、あらゆる手法で周知を行ってください。
2割特例の延長をはじめインボイス制度を廃止してください。

3.急激な物価高騰、最低賃金高騰により中小業者はコロナ禍の時より経営を圧迫されています。納付困難な事業者には真摯に対応してもらい、実情に沿った納税緩和措置の活用を積極的に行ってください。
徴収実務は管轄外の税務署であっても、行政文書の責任、行政処分の執行は、各税務署長名が記載されていることからも、所轄税務署において、責任を持って徴収相談、実務の対応をしてください。

4.令和7年の所得税控除計算は非常に複雑となっていて、税務知識に乏しい一般市民は混乱します。早期の周知広報を施すとともに、要請があれば中立な立場として三次民商でも学習会を行ってください。

5.財務省以外の省庁は収受印を継続しています。申告書等の控えへの収受日付印の押印を再開してください。

6.本来、税務署は税金の賦課・徴収実務を担うとともに、納税者が正しい納税知識と実務、納税を担保する組織でもあります。それにも関わらず、税務署が賦課した予定納税額の記載間違いをした申告書や源泉徴収の過納額を放置している現状があります。本来納めるべき納税額をチェックし、多く納めている納税に対し、正しい納税額となるよう、改善してください。

7.日本だけにある税理士法をさらに強権化するために始まった税務相談停止命令制度は、仲間同士で教え合って複雑化する申告納税に対応するしかない中小業者を廃業に追い込みます。ただちに税務相談停止命令制度を廃止してください。