税務署交渉 現場の認識正す

11月7日(月)、広島北税務署に対し新事務年度最初の税務署交渉をおこないました。
北民商からは久村会長、税金対策部の竹本部長と宗吉さん、事務局の計5名が参加。
税務署は菊島総務課長ら2名が対応しました。久村会長のあいさつの後、菊島課長が申し入れ事項(裏面)に回答。その後、参加者から要望や質問を出して進めました。

インボイスの影響、「中止しかない」
今回の交渉の大部分は、インボイスの問題点や税務署の認識を正し、納税者に不利益が起きないようにすることや、制度中止を求めることなどが中心となりました。
課長は「税務署の説明会の参加はまだ少ない」、「業者団体等に登録に向けた説明会などもお願いしている」と回答。
竹本部長らは「大変になるのは免税業者。登録しなくても良い場合や、簡易課税を知らない業者にどう説明するのか」、「業種や力関係で、元請に登録しろと言われたら、よく考えず登録する下請業者は多い」と現状を訴えました。

国・税務署と中小業者の間に認識の差がある事を正し、「国は税収が増えれば良いのだろうが、制度を機に廃業するといった業者の話を聞くことが増えた。地域に貢献し、技術を持った職人たちがいなくなる」、「この制度は、やはり中止するしかない!」と訴えました。課長は「制度の良し悪しは立場上言えない」としつつも、免税業者がそれ以上の不利益を被ることがないような説明や相談体制が必要との認識は一致し、「(今後の税務署間の会議で)確認して準備する必要がある」と応えました。

関連して、インボイス制度の登録にマイナンバーが必須か確認すると、「(国税局に確認し)記載がなくても登録できます。確認のため後日電話がかかる可能性はある」と答えました。
他の項目の主な回答は、
1の税務運営方針の遵守を重ねて確認。
3の滞納処分は「納税者の状況や心情に配慮」することや、差押え禁止財産ではない給付金も「慎重に対応する」と応えました。
5④質問応答記録書は押印不要で納税者に控えがないため、記載内容を基に調査される不信感を指摘。
「強要はしない。後日個人情報の開示はできる」との回答に終始しました。

現場対応も配慮を
その他、久村会長は来年以降、全ての法人へ電子申告の義務化が広がる事を懸念。
令和6年から売上帳簿不備への加算税が増額される改悪もあり、参加者から「本則課税帳簿の対応や、電子申告・電子帳簿など、多くの中小業者にとって対応はムリ!」、「ここで法律は変えられなくても、現場の署員は中小業者の実態を知ったうえで納税者に対応してもらいたい」と訴え、総務課長も「分かりました」と応え交渉を終えました。