20億円の基金を使い個人事業主にも傷病手当金を

国保課「国へ要望していきます」と回答


国保課と交渉
福山民商は11月11日、新型コロナ感染で事業主だけに国民健康保険の傷病手当がない問題で、事業主にも傷病手当等を実施するよう福山市に申し入れを行いました。
交渉には、福山民商の田頭、高橋両副会長はじめ加賀広商連会長や料飲支部の岡本さんなど9名が参加しました。国保課渡辺課長、竹田主幹が申し入れに応対しました。
渡辺課長は「新型コロナの感染拡大の影響をうけ、国保の傷病手当は被用者(雇われている人)が休み易い環境をつくるため緊急措置として実施されたもの。事業主が休んだことによって生じた収入減少の算出が難しい。国へ算出基準を示し、事業主へも対象を広げていただくよう全国市長会で要望している」と回答しました。

納めているのになぜ対象外?
高橋さん=繊維プレス加工=が「事業主も国保税を納めているのに従業員は対象で事業主は対象外は余りに酷くないですか」との質問に課長は「事業主が休んでも収入が減少しないケースもあるので」と答えました。高橋さんは「国保に加入する事業主の大半は一人親方やフリーランスで、収入がなくなるのは明確ではないか。休めない業種や感染リスクをもって働いている事業者もたくさんいる」と正しました。

創設実績を紹介
藤本事務局長が、全国商工新聞(11月7日付)に掲載された記事をもとに岩手県陸前高田市の市保健課が事業者傷病給付金を創設した経緯を紹介。
陸前高田市では、市長から「事業主が申請できる制度はないのか」と問われ、職員が要綱を見直し、2020年5月に完成。財源は国保の財政調整基金を使い、20年1月までさかのぼって申請できるようにしていると説明しました。
加賀県連会長が「福山市は約20億円もの財政調整基金(積立金)があると認識している。
この基金は、福山市民が一生懸命働き、大変な思いをして納めてきた結果、積立できたもの。
緊急事態の今こそ、この基金を福山市民のために使うべきときだ」と迫りました。
竹田主幹は「それについては理解できます。引き続き国へ要望していきます」と答えました。
自営業者への対象拡大は、自治体が判断すればできること。国の直接支援はありませんが、補正予算で提案されている臨時交付金が新型コロナ対応に使える財源であることを確認しました。
市懇談に初めて参加した岡本さん=飲食店=から「私たち自営業者だけ対象から外れていて可哀想だと思いませんか?ぜひ、国保課のみなさんからも市長にお願いしてください」と訴えました。